当時、最も大きく感じていた課題は何でしたか?また、「このままではいけない」と感じた具体的な背景があれば教えてください。
(例:若者流出、雇用の選択肢不足、企業誘致が進まない、庁内調整の難しさ など)
少子高齢化や人口減少により、経済規模の縮小や担い手不足、企業や店舗の廃業の増加、学校や公共施設の統廃合等が進み、地域の魅力が低下していき、更に人口減少が進むという負のスパイラルに入っており、地域の大きな変化を日常的に感じ、このままでは天草は消滅してしまうという危機感がありました。
持続可能な地域を創造するためにはやはり人口が重要で、特にこれからの地域を担う若者の存在が重要で、その流出抑制が最大の課題でした。そこで、本市では、若者が残ってくれる、戻ってきてくれるためには魅力的な仕事環境があることが必要不可欠だと考え、天草にいながら稼げる産業として成長が見込まれるIT企業の誘致やデジタル人材の育成、多様な雇用の創出に力を入れ始めていました。
当社(大矢)を知ったきっかけと、 最初に話を聞いた際に「一緒にやってみたい」と感じた理由を教えてください。
出会いは、令和3年の初めで、当時別の会社に勤められていた大矢氏とWEB面談で企業誘致や人材育成、テレワークに関するお話をしたのがきっかけです。
しかし、その話で一緒になろうとなった訳ではなく、本市には誘致企業としてみらい(株)様があり、一緒にデジタル人材育成やテレワーク事業に取り組んでいましたので、そこを差し置いて他社に乗り換えるという判断はできませんでした。ただ、正直、このプロジェクトについて、当初連携していた企業が抜けたり、計画通りに進まない部分があり苦戦していました。なので、大矢氏にはみらい(株)と連携して天草でできないかと聞いた記憶があります。
そしたら、大矢氏はすぐに天草に足を運んでくださり、大矢氏が「日本の端から日本を元気にしたい」という目的を達成するためにその時勤めていた会社を退職することを考えていることを聞きました。その後、みらい(株)の社長に大矢氏を紹介したら意気投合され、とんとん拍子に、大矢氏がみらい(株)に入り、天草の拠点の責任者になりどんどん事業が動き始めました。
やはり最初に面談した時に大矢氏の提案が天草の実情にもあっていて欲していることだったこと、その時の取り組みに苦戦していたこと、すぐに来てくれたこと、そして、たまたま大矢氏と一緒に仕事をしていた方が天草に在住だったことなどが重なったことが一緒に取り組む結果に繋がりました。
実際には、どのような取り組みを、どんな流れで進めていきましたか?特に印象に残っている支援や場面があれば教えてください。
(例:企業誘致の進め方、人材育成の取り組み、視察やイベントでの出来事 など)
ちょうど令和3年度から地方創生テレワーク交付金を活用した企業誘致に取り組む時期だったこともあり、大矢氏から提案のあったフォームマーケティング、プレゼン資料やプロモーションムービーの作成、視察ツアーの実施、デジタル人材育成に着手しました。
印象的だったことは、提案のあったプロモーション手法に一貫性があって、全てが目的達成のために繋がっていました。リード獲得をして、接触できた人には見やすく伝わりやすいプレゼン資料と天草の良さが一目で分かる動画で魅力を伝え、視察ツアーに繋げて、進出決定まで進めるという戦略のある手法だと感じました。特にフォームマーケティングは、これまでのイベントに出たり、知り合いから紹介してもらった数少ない会社を営業してお願いして断られるのを繰り返すみたいな手法から、効率よく数千社にアプローチでき、地方進出に興味のある方と最初からベクトルを併せて話せる手法に180度変わった感じがして画期的でした。また、視察ツアーのワールドカフェについても、これまで行政だけで誘致していたのが、地域で誘致するみたいな感じに変化させることができとても有意義に感じました。
取り組みを通して、地域や庁内、ご自身の中で「変わった」と感じることはありましたか?
(例:雇用、企業の反応、庁内の空気感、考え方の変化など)
現在多くの企業様に進出いただき雇用は少しずつですが着実に生まれてきていて、更に進出企業と地元企業の連携も進んできています。今後このコラボにより地域に大きな変化が生まれるのではないかと期待しています。
庁内外から、ホームページ作りたいんだけどとか、動画作りたいんだけどとか、誘致企業紹介してほしいなどの声が増えた気がします。それだけ誘致企業が市民と身近になってきたことかなと感じています。
今後、この地域で実現していきたい未来や、 次のステップとして考えていることがあれば教えてください。
天草が持続可能な地域となっていくためには人口減少抑制や地域内経済循環率の向上など様々な課題がありますが、それらの課題に立ち向かい目標を達成するためには、地域に根差す人が重要だと感じています。
地域の企業経営者が新たなチャレンジをして、生産性が向上し、働く人たちの給与水準も上がり、多くの市民が経済的にも暮らし面でも豊かなに幸せに過ごせるようになる。これを見て次の若者たちが集まってくる。その若者等により新たなチャレンジが生まれ、イノベーションが生まれていく。多くの人が豊かに暮らし、多くのチャレンジが生まれるような地域が作れればと思います。
そのチャレンジをするためには1人ではできないので、地元企業の仲間だったり誘致企業、金融機関、商工団体、我々行政など多くの関係者がつながることで大きな変化と効果をもたらすと考えています。
よって、次のステップとしては、地元企業と誘致企業や関係団体を繋ぐこと、コミュニティを創出し、みんなが主体性を持って活動し、共創することで持続可能な作ることだと考えています。
同じような課題を抱える自治体職員の方へ、 「これは伝えておきたい」と思うことがあればお願いします。
この変化の多い時代で生き残るには、柔軟な対応力、変化する力が必要だと思っていて、チャレンジしたもの勝ちだと思っています。例え成果が出なくてもそこから学び、次に繋げることができるのはチャレンジした地域だけです。チャレンジにはリスクが付き纏いますし、職員個人で言えば自分の時間を犠牲にしたりすることもあるかもしれませんが、きっといい未来が待っていること、いい地域が先にあることを信じてチャレンジし続けることが必要です。その人を支える自治体の組織体制も重要だと思います。
取り組みを振り返ってみて、当社はどのような立ち位置・存在だったと感じていますか?
本市がこれまで色々新たなことを出来たのは、アイディアやノウハウを注入いただいた御社の存在が大きかったと思いますし、困った時に頼りたいと思える存在だと思います。
地方創生はそう簡単なものではありません。特効薬があるわけでもありません。その地域ごとの特性を把握しながら寄り添いながら取り組みをし続ける必要があると考えていますが、そういった意味でもしっかりと地域のフィールドワークをされ、地域と行政、誘致企業の3者の間で活動いただいているのがありがたい存在だと感じます。